セクション

 


刃物でロープを切った切り口のような、故意の潔さが約半月続いていた。

はじめは突然露わになった切り口に戸惑いながらもそれに焦らないように着飾っていたが、

結局その着飾りは発熱というかたちで見事に崩れ落ち、強制足止めを喰らう。

下熱し動けるようになった今は、来るか来ないかわからないこの先を半ば諦めの姿勢で待っている。

車が全く来ない中、防寒完全フル装備で強風に耐えているパーキングエリアの警備員のよう。

それでも待ち続けるのは、それが私の仕事であり、義務であり、ある意味理性でもあるのだと思う。


久しぶりの高熱は心身ともにショックだったのだろう。

下熱後、諦めの姿勢で待っている私の背後に纏わりつきまわるものが軽くなる。

振り出しに戻り、待ち続ける。

ロープの切り口は、少しずつ風化を始めた。

どこまでもいつまでも変わらない私に、重いため息が出るほどの嫌気と、褒め讃えたいほどの安堵を同時に覚える。