サバイバルゲーム
たった数秒で絶望を覚える時がこの世にはあるという経験をしてしまった私は、こういうとき、とてつもない恐怖の波に飲み込まれる。
この状況下において彼女が得た権利は素晴らしいことだとわかっていても、
私達が会えないであろう数年の間に、アルマゲドンレベルの何かが私たちに降ってかかる可能性は決してゼロではないということを私は知ってる。
そして彼女も。
そのタイミングは皆、既に平等に与えられていると、どれほどの人が理解しているだろうか。それは対人だけではなく、自分がいなくなる可能性も含めて、だ。
生きることに慣れ、死ぬことにも慣れてしまっているということだろうか。
"Departures"が枯れた身体に染みて痛い。
高速道路の長いトンネルを抜け帰ってきた新宿という現実は、まるでサバイバルゲームのようだった。