5475日

 


学生時代に読んだ金原ひとみ氏の本を一気に読み直したくなったのは、
今の私が当時の私に救いを求めてるからかもしれない。

根幹は変わらずとも丸みを感じる文になった昨今の金原氏の作品も大好きだけれど、
カオスと棘とやりきれなさの塊であるデビュー後の作風に、当時の私は救われていた。

今読み返すと、やはり当時とは違いどこか俯瞰して読んでいる自分に「時間」を感じる。
年齢も、経験も、恐怖も不安も心配も焦燥も、
懐かしさと緩やかな安堵へ。

救われる感覚は変わらない私も、根幹は変わっていないのだろう。
でもこれらを読んでいる夕方、外で泣いている近所の子どもが、私の代わりに泣いてくれているようだった。

一気に読み直しているから、首肩の凝りが凄い。
これも時間。