アトラス
最初に右手薬指にリングをつけ始めたのは大学時代で、
長期的に薬を飲まなければならなくなった自分への御守りだった。
ここにリングがあることで「大丈夫、大丈夫」と念じ信じ、
結局大丈夫じゃない時も多々ありつつ、それでも「大丈夫」と言い聞かせ続け数年、
何かのタイミングで「もう無くてもいいのではないか」と、ふとリングを外した。
実は飲んでいた薬は現在でも飲み続けていて、もう15年ほどの付き合いとなる。
ただ、大丈夫と念じ信じ言い聞かせ続けていた自分への執着が解かれたときが、
リングを外した瞬間だったのだろう。
そこから数年。またこの指にリングが舞い戻ってくるとは。
大学時代ほどのこの薬指に込める想いの縋りはないが、
少しだけ、懐かしさを感じたかった。
(オランダの陸上選手、ダフネ・シパーズ選手への憧れもある)
次はいつ、執着が解かれるのか。
薬はいずれも最小量なので、ご心配なく。(たぶん)