6月6日 記



親友の結婚式で、代表のスピーチをさせていただけることになった。

30代ということもあってか、過去には人並みに友人の結婚式には参加させていただいているけど、スピーチは初めて。

スピーチを任せてくれたことはとても光栄だし、彼女の式のスピーチは私の他に誰がやるねん(ドヤ)、とすら思う。
それほど、私にとても近く深い人。

スピーチをお願いしたい、と頼まれたのは約半年前の12月頃。二つ返事で「では下書き始めるね!」と言ったけど、実際にペンと紙を前にしたのは昨日、6月5日のこと。我ながら短期集中にも程がある。集中しすぎたのか、胃痛と吐き気が悪化し深夜に目が覚めてしまったほど。

もちろん、この半年間何も考えていなかったわけではない。むしろずっと考えていたように思う。
や、考えていたというか、ずっと想っていた。

何を書こう、何を喋ろう、と、大役に対して真っ向から向かうと、スピーチの名の下にひれ伏してしまう。
私は人前で話すことは得意ではないし、声も張れない上に口に泡がたまって舌ったらず。
彼女のスピーチは私以外に誰がやるねん、というやる気点とは裏腹に、技術点は減点of減点。オワコンofオワコン。

ただ、この半年以上ずっと想い続けていたためか、ペンと紙を目の前にしてからは、勝手に手が動いた。
途中、彼女がコンサート前に骨折して度肝ぬかれて笑ってしまったこととか、嫌なことがあって家を飛び出して車かっ飛ばして夜中に連絡も入れずに彼女の家のインターホン連打したこととか、私が海外に行く直前に大喧嘩になって時差を考えず海の向こうから謝罪の電話を入れたこととか、そんなことも書こうかと思った。

彼女と出会ってからの幾年かを、スピーチの間に収めることはとても難しい。一緒に行った旅行も、パーティーも、だらだら部屋で過ごすのも、喧嘩も、仕事も、励ましも、彼女の沢山の言葉も、この5分で収まるわけがないじゃない。
人の歴史なんて2時間のドキュメンタリー番組でも語り尽くせられないというのに、この節目の日に、彼女の歴史と人生を、どう伝えようか。

書き終えたら、思いの外早かったことに気づく。
ほぼ、「気持ちで書いた」も同然。後ほど所々修正は加えた。

明日、私はどんな気持ちで喋るだろう。

#hakodiary