三角の窓、西向き

実家に帰ると、悲しくなる。
恋しい、とか、東京に帰りたくない、とか、そういう悲しさではなく、
変わらないけど変わっている景色とか、確実に少しずつ老いていく両親の姿とか、それと同時に自分も確実に変わっているんだという現実を目の当たりにするから。

帰省中、偶然にも高校の同級生に会ったのだけど、卒業してから10年以上経って、時間も、物理的な距離も、私とその子の間には流れていてどこか恥ずかしい気持ちになった。(私スッピンだったからかも)
見た目も、その姿の背景も、お互いもう32歳の印象だったと思う。二言三言交わした後、会っていなかった10数年を、噛み締め、理解する。
言葉にはしない大人の対応が、嬉しくもあり切なくも感じる。

都心は周りを見渡すことができない。建物が密集してるから。
広がった場所でも、遠くにある高い建物が視界に入る。
私の部屋から見えるような、空の奥の向こう側なんて見られない。

少し前までは帰省すると、「ここにいてはいけない」「遅れをとってしまう」という焦燥感に駆られていた。
いまは焦燥感よりも、「生きなければ」という使命感が強い。
少しずつ変わっていくバックグラウンドと自分の証のためにも。
という感じでしょうか。 「生きなければ」を東京に持ち帰って、さて頑張ろう。

#hakodiary #neph