たまにフッと、もう亡いはずの姿が脳裏に現れる。そのあと、近くにいるような遠くにいるような、言葉では言い表せないような不思議な距離で私を見、空気に染まって消えていく。
この現象の度、悔やんだところでどうすることもできないもどかしさと、このもどかしさと共に生きていく絶望と、だけど絶望しなければいけないことは無くいま自分は「在る」ことを思い出し、やっと我に帰ってくる。
いま、作ってくれたご飯が恐ろしいほど尊く思う。「おはよう」も「いってらっしゃい」も「おかえり」も「ただいま」も、なんで言う度に泣きそうになるんだろう。
炊けたご飯をしゃもじで混ぜて、幸せになるはずだった分を私にも分けてくれてから逝ったんだと思うと、涙が止まらなくなった。
だから私は、生きなければならない。分けてくれたから、二倍豊かになれるはずだしその通りだと思ってる。思いたい。


過去と未来はつながってる、ってこういうことでもあったんだね。今ここに在るって、とても嬉しい、と同時にとても苦しい。
#hakodiary